今回は「業者を選ぶ際のメリットデメリット」についてです。
前回のブログ記事で「業者の選び方」というのを書いたのですが、それに関連した話です。

塗装工事だけに限ったことではなくて、リフォーム工事をする際によく耳にすることで会社にも個人的にも質問を受けることの一つなのですが、

「地域密着型と言われる地元のペンキ屋さんとCMやら広告で良く名前を耳にするような有名大手会社ではどっちを選ぶ(依頼)のがいいのだろう?」

というものです。

そもそも、この質問を「地元業者」である私に聞いてしまったら回答は決まってきてしまうだろうとは思うのですが。。。(笑)
でも、なぜか質問されることが多いのです。
それだけ「施工業者を選ぶ」という事は難しく頭を悩ませることだということですね。

「業者のメリットデメリット」という質問には正直言ってしまうと
「それぞれにメリットとデメリットがあるので一概には言えない」
というのが本音なんです。

それぞれ事情も条件も違いますし頼む側にも個人的な問題もあったりすると思います。
なので、皆さんにはそれぞれのメリットとデメリットを知ってもらいたいです。
そしてご自身が納得できる業者を選ぶ為のヒントにして頂きたいですね。

リフォームなどの工事全般に言えることだとは思いますがここでは塗装という事で話を進めていきます。

塗り替え」と言っても業者の選択肢は数多いのが現状です。
細かくは「業者の見分け方」(クリックで過去記事に飛べます)を読んでいただければわかりますが、様々なタイプの業者がいる中で、今回は「地域密着型と有名大手」を比べて見たいと思います。

まずは「メリット」です。
【地元業者のメリット】
・費用を抑えられる
 これは大きなポイントです。知らない人もいるかもしれませんが、建設業というのは大手に頼んでもハウスメーカーに頼んでも実際に現場で施工するのは「地元業者」となる「職人さん」です。
という事は地元業者に直接発注できれば諸経費などの費用が抑えられることになります。
・伝達が早い
 ほとんどの地元業者は「見積もり」から「アフターフォロー」までを一貫して行っていますのでお願いしたことや質問など「食い違い」や「伝え間違い」がほとんど起こりません。
半面、大手業者の場合は自社のスタッフは営業や打ち合わせ以降は現場へ伝達して工事が行われますので伝達ミスや伝達漏れなどがありトラブルに繋がったりする場合もあります。
・スグに来てくれる
 地元ですから何かあった場合には直ぐに連絡が取れて駆けつけてくれることになります。
又、大手業者の場合1人の担当者が数多くの物件を同時に抱えていますし、独断で行動できない場合もあるので対応が後手に回ったりすることもあります。
・地域の条件を知っている
 地元業者はその地域で長く工事を請け負っていたり場合によってはその地域で生まれ育っている人もいますので各地域の環境や気候などの「条件」に詳しいことが多く材料選びから施工まで適切な対応ができるものです。

【大手業者のメリット】
・実績がある
 何百人という営業マンが日々営業をして仕事を取っていますので自社が請け負う「施工数」はかなりの数になりその実績は大きなものになります。その為トラブルに対する対応力もありますし大きな会社なら10年くらい先となる次の工事も頼めますしそれまでの対応に期待できるという安心感があります。もっとも地元業者も数十年と続いている所も多いので「安心感」という面では大きな違いはないかもしれません。大手業者は、塗り替えだけでなく建物の全ての工事に対応できる場合が多いので「メンテナンス」という部分では大きな違いです。
・信用度が高い
 上記と同じような理由ですが、施工数の多さや会社規模の大きさで信用度が高いです。
ただ、地元業者でも何十年も施工し続けている業者となるとそれ以上の信用度となるかもしれません。
・保証が分厚い
 大手業者では施工後のアフターケアや保証が充実している所が多くなっています。
ただ、地元業者でも独自の保証制度などを設けている所も多くありますし、保証を前面に押し出さずとも「地元」という事で対応してくれる場合がほとんどなので遜色ない状況ではあります。
・色々な条件を知っている
 「実績」とも一致しますが「施工数」が多いことであらゆる条件での施工をしているデータが蓄積されていますので、様々な状況に対応することができます。

「デメリット」
【地元業者のデメリット】
・いい業者を見つけにくい
 地元業者は「広告費」に力を入れられませんので「宣伝」などはほとんどしていません。その為「塗装屋さんがどこにあるのか」「どの業者が優良なのか」という事を知る機会が極端に少ないです。その為「良い業者」を見分けるのは難しく労力が必要となります。また、飛び込み営業をする業者の中には「地域密着」「地元業者」を前面に押し出して営業して施工となると激安で請け負う業者や職人さんへ丸投げをするということもあったりします。
・保証が心配
 大手業者では手厚い保証があります。近年では地元業者でも「保証」をつける業者も多くなりました。もちろん元々地域密着でやっていますから「なにかあった場合」には「保証」があるとかないとかは別にして依頼者の所へ行き「保証」以上のフォローをするのが当然となっています。また、材料メーカーのほとんどでメーカー保証をしているので過敏に心配する必要はなくなりました。
契約前に「保証ってどんな感じになりますか?」と気軽に聞いてみてその反応で判断できると思います。ただ、地元業者の中には(大手も同じですが)倒産や廃業してしまいアフターフォローをお願いできない場合もあるのは事実です。

【大手業者デメリット】
・費用が高め
 大手業者は職人を社員として抱えているわけではありませんので協力会社などの下請けに工事を発注します。その下請けは地元業者(職人さん)に発注します(場合によっては孫請けひ孫受けに発注)施工するのは結果的に地元業者(職人)です。という事は大手に注文した工事は2段階3段階と発注されますのでその分諸経費がかさむことになります。お判りだと思いますが地元業者よりも大手業者は割高になります。
・意見が伝わりにくい
 営業、見積もり、契約、施工、管理、引き渡し、アフタフォローと全て別の担当者になることも多くありますし、工事の最中に転勤や配置転換で担当が移動(変更)してしまうという事もありますので、お客様の意思や希望が正しく伝わらなかったり入れ違いになったりということも考えられます。

ちょっと細かくなってしまいましたが、メリットデメリットが大まかにわかっていただけたでしょうか?

リフォームなどを考えた場合。
大手業者と地元業者の両社(数社)に見積もりを依頼してじっくりと話を聞いてみるのが一番です。

工事を検討する場合は日程(工事希望日)に余裕をもって計画することが重要です。
特に外壁塗装などの場合は「直ぐにやらないと」という緊急を要する場合はほとんどありませんので、新築や塗り替えから7年~8年経過したら見積もりを取って工事の計画をするというのがベストです。

こうすると、悪徳業者に騙されにくくなりますし、工事の計画も立てやすくなります。

もうおわかりとは思いますが、塗り替え工事だけでなくリフォームなどでは「時間をかけて」じっくり検討するのがベストとなります。
「〇月までに決めて頂ければ割引します」とか「即決なら〇〇円引き」なんて営業トークで急かせる所は警戒が必要です。普通の業者であればあるほど「工事を急かす」ことはありません。

特に塗り替え工事では「今すぐに工事しなければどこかがおかしくなる」なんてことはありませんから、じっくり決めることが大事です。

ホンダ塗装の例で言えば「2年前に見積もりした工事をお願いしたい」といったご依頼もお受けしています。